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2022.03.12
コラム

特殊清掃について

特殊清掃という言葉、あまり聞きなじみがなく、どのようなときに清掃が必要なのか詳しく知らない方が多いのではないでしょうか。
この記事では、特殊清掃が必要な状況と清掃の内容を解説したいと思います。

目次
1.遺品整理とは?
2.遺品整理はどのような作業をしてくれるか?
3.遺品整理のタイミングは?
4.業者に依頼をするメリット

特殊清掃とは

特殊清掃とは、一人暮らしの住人が突然死なさって死後数週間または、数か月発見なされなかった部屋や、年齢関係なく若い方でもありうる自殺や殺人事件や、事件現場等の部屋の、現状回復を目的とした作業内容となります。
昔のように核家族ではなくなった現在、独居老人の孤独死は増えている傾向にあります。また、ゴミ屋敷化してしまったお部屋をもう一度、綺麗な状態に戻して快適に住む作業内容も、広い意味で特殊清掃と考えてもらっていいのかもしれません。
通常の退去清掃だけを行っているハウスクリーニング屋さんの場合は、そのようなお部屋の清掃をお断りするケースもあるようです。経験としては、一軒家よりアパートの方が作業件数は多いと思います。

特殊清掃はどのような作業をしてくれるのか?

特殊清掃の作業内容としては、遺品整理・消毒・消臭・現状回復工事・お祓い・清掃・害虫駆除が、主な作業内容となります。
お亡くなりになってから時間が経過してしまった部屋となりますと、部屋を閉め切っていても、玄関ドアの隙間から死臭が漂ってきます。そこまでとなると、見積もりの為に部屋に数分いるだけで、衣類や髪の毛に匂いがつきます。臭気レベルが弱い場合は、清掃と消毒、消臭作業だけで済む場合もありますが、匂いが強い場合は、現状回復工事(内装工事)も必要となってきます。

特殊清掃は自分だちでもできるのか?

答えとしてやはり専門業者に依頼をした方が良いと思います。
故人が何かしらのウイルスや疾患に感染をしていた場合を想定して、自分が感染をしないように作業を進めなくてはいけませんし、まずあの強烈な匂いを消すこともできません。腐敗液を表面だけ拭いて、市販の消臭スプレーや空気清浄機を設置しても到底匂いを除去できません。壁・天井・床・室内すべて匂いが染みついています。いくら床上を表面だけでも綺麗にしても、床材の下にまで腐敗液が浸透してしまっている場合がほとんどです。匂いの根本を除去しない限りは、どんなに見た目が綺麗になろうとも無意味となります。
今までの経験となりますが、亡くなった部屋に匂いがこもってはいけないとおもったのが、ご遺族様が家中すべてのドアを開けてしまい、臭気が家全体に漂ってしまった結果、本来であればそこだけで作業が済んだものが、プラスの作業が増えてしまい、作業代が増えてしまったということもありました。そして、部屋には窓一面に見えるハエ、床にはウジ虫・・・強烈な匂い。一般の方なら精神的にも耐えがたいのではないのでしょうか。
こちらも経験となりますが、お風呂の中でお亡くなりになってしまった現場ですが、湯栓をご遺族様が抜いてしまい、腐敗液でドロドロとなってしまった湯を流してしまったケースがありました。追加作業として配管内洗浄という作業内容も増えてしまいますので、専門業者にご連絡することをお勧め致します。

[清掃している様子]使用する薬剤を数種類使いわけます。
[畳を剥いだ後の床下の状況]畳を浸透して腐敗液が流れこんでいます。
[浸透している床材を剥いだ状況]このように根太まで浸透しています。

部屋の匂いを消臭するには知識が必要

匂いが染みついてしまった部屋は、スケルトン工事(住宅の基礎部分だけを残す)をしてしまえば、当然匂いはなくなります。しかし、全てを工事で新しくしてしますと、コストとしては高額になってしまいます。通常の遺品整理作業というわけではありませんので、作業的には割高とはなっていしましますが、ご遺族様の負担を軽減しつつ、匂いを除去する為には専門の知識が必要となってきます。
専門業者であれば、高性能な噴霧器や消臭する為の機械を所持しています。薬剤を注入しミクロン単位で噴霧ができる噴霧器でお部屋の隅々まで散布をします。そして全国の専門業の方が使用しているオゾン脱臭機という機械を使用します。この機械も高額となり、一般の方には必要がないので、当然所持をしていないという理由からしても専門業者に依頼をするメリットととなります。
オゾン脱臭機にて、高濃度オゾンを放出し、酸化分解し匂いを吸着し、脱臭・除菌まで行っております。一度染みついた匂いは簡単には除去できないので、噴霧とオゾンの作業を繰り返します。中にはオゾン脱臭機を長時間使用すれば、匂いが消えると思ってらっしゃる業者様もいるようですが、かえってオゾン臭が充満してしまうケースもあります。

[噴霧作業]隅々まで薬剤が浸透するように噴霧します。
[オゾン脱臭機使用]オゾンの強い酸化力により、部屋に染みついた匂いを消臭します。

誰かがやらなければいけない仕事として誇りをもっています。

いくら仕事だからといっても、決して気持がいいものではありません。
しかしご遺族様の悲しみや、故人様の生きた証であったり、想いを尊重して業務にあたっております。孤独死とは誰にも看取られずにお亡くなりになることとネット上では、そのような検索結果となります。人の死生観となりますので、個人的な見解として受け止めていただきたく思います。
逆に誰かに看取らて最期を迎えるには介護施設や親族と同居をするしか方法がないのではないかと思います。しかし、現実的には各家庭の事情によっては同郷が難しいものがあると思っております。お亡くなりになって発見されるまでの時間が少なければいいのではないかと思います。発見されるまでの時間を少なくする為には、地域社会との関わりを利用することである程度、状況を判断できるかと思います。
近年では家電に搭載された見守りシステムを導入し、定期的に安否確認を行う方法もあり、お亡くなりになってから発見されるまでの時間が少なく済みます。ですので、そのようなサービスを利用すれば、お子様・親戚の方が遠くに住んでいても、慣れ親しんだ土地・家で最期を迎えたという方はいいのではないかと思います。
こちらも私の経験となりますが、孤独死をなさったご遺族様の話では、死後時間が経過しすぎて、腐敗が進みぎたが為に、葬儀会社様の方から、お顔を見ない方がいいと言われた・・・もっと早く発見されていれば最後に顔を見て「ありがとう」とお別れの言葉を伝えられたのにと、無念に話す方もいました。一人でお亡くなりになるのは決して悪いことではなく、お亡くなりになってから発見されるまでの時間が重要であると思います。
最期の最期まで“自分らしく生きる”この仕事を通して素晴らしいのではないかと思っております。

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