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1.空き家とは
まず、空き家の定義としましては「空家対策特別措置法」によって各市町村が判断する形が基本です。「1年以上誰も住んでいない」「1年以上使用されていない」といった要件に該当する家は「空き家」と判断されます。さらに人の出入りの有無や電気ガスの使用状況、所有者の住民票の内容や利用実績なども主な判断基準となっています。これらの要件を満たすことで建物を適切に管理していることの証明にも繋がります。
2.固定資産税の特例適用外
住宅用地の特例措置とは、住宅用地のうち一定のものについて、固定資産税が最大1/6まで減額されるもので、平成26年度までは、全ての住宅に適用されていましたが、27年度税制改正の大網において、適切な管理が行われていない空き家の敷地に対して、住宅用地の特例措置は適用されないことになりました。つまり、空き家を放置しておくと、固定資産税が高くなる可能性があります。
3.お金のかかる空き家!?
空き家を放置すると、お金がかかる場合があります。人が住んでいない、メンテナンスを行っていない住宅は傷みが早く、傷みが進行した住宅の場合、いざ空き家を活用しようと思い立っても、改修や修繕、雑草の除去、害虫駆除等で多額の費用が掛かってしまい、資金繰りに苦労したり、諦めなければならない事があります
4.空き家のトラブル
空き家のリスクで特に気を付けたいことの一つに、不法投棄や不法占領など、犯罪のターゲットにされることがあります。空き家は管理者がいない物件であるため、これらの犯罪に巻き込まれた場合でも気付けず、被害が広がってしまう可能性があります。また、草木が繁茂している空き家は周囲からの見通しが悪く、泥棒の隠れ場所として利用されるケースもあります。
空き家が老朽化すると、空き家の破損や倒壊などのリスクが出てきます。これらが実際に起こった場合、隣家や周辺住民に実害を及ぼす可能性があります。災害リスクで特に気を付けたいのが「火災」です。火災による被害は、自らが資産的損害を被るだけでなく、周囲に燃え移ってしまうと社会的責任を負うリスクも出てきます。
老朽化した空き家は、地域コミュニティの雰囲気を悪化させる可能性もあります。地域に空き家が多くなると、どうしても寂しい雰囲気になりますし、景観や周辺環境に悪影響を与えると、地域の評判を落とす可能性もあります。また、空き家が増え続けると人口密度の低下により住民同士のコミュニケーションが減る可能性も出てきます。
5.空き家管理はココが重要!
空き家は所有者もしくは管理者が、定期的に建物の状況を確認しメンテナンスを行い、空き家になる前の状況を維持することが最善です。下記にメンテナンスポイントを紹介致します。
●屋根材の変形、剥がれ、破損 ●軒裏の剥がれ、破損、浮き ●雨どいの水漏れ、変形、外れ ●土台や基礎の破損、腐食、ズレ ●ベランダの腐食、破損、傾斜、さび ●窓ガラスやドアの開閉不具合、割れ ●その他に雨漏り、カビや害虫の発生、給水不良や外壁の破損等が挙げられます。
また、地域や近隣住人の方に管理者の連絡先を伝え、問題が起きた時は直ぐに連絡を取れる状態にしておく事が重要となります。
6.空き家問題の今後
国や幾つかの市区町村では、空き家問題の解決に積極的に動いています。例えば、空き家の撤去•解体費用の補助、空き家を譲渡した場合の特別控除などです。ただし、使える状態にある空き家は活用すべきという考えが根底にあります。空き家を活かすため、以下のようなことに取り組んでいる自治体も存在します。
●子育て世帯・高齢者世帯向けの賃貸に活用 ●空き家バンク制度 ● 既存住宅流通・リフォーム市場の整備
空き家の件数は年々増加する一方というのが現状です。いつ何時ご自身に空き家問題が降りかかってしまうかも知れません。今一度、空き家問題を考えてみてはいかがでしょうか?
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コラム | 2023/05/12